ニュージーランドといえばソーヴィニヨン・ブランの鮮烈な爽やかさが有名ですが、実はブルゴーニュの高名な白ワインに匹敵する偉大なシャルドネを生み出すワイナリーが存在します。それが、北島オークランドの北西に位置するクメウ・リヴァーです。今回は、彼らの実力と哲学が美しく表現されたフラッグシップボトル、クメウ・リヴァー エステート シャルドネの魅力に迫ります。
① 歴史・背景(創業・蔵元・ブランドの歩み)
クメウ・リヴァーの歩みは、1937年にクロアチアから移住してきたブラコヴィッチ・ファミリーによって始まりました。1944年に現在のクメウ地区にワイナリーを設立し、当初は地元の需要に応えるバルクワインなどを中心に製造していました。大きな転機となったのは1980年代です。マスター・オブ・ワインの称号を持つマイケル・ブラコヴィッチ氏を中心に、品質至上主義への大胆な舵切りを行いました。
ハイブリッド品種からシャルドネなどのヨーロッパ系高級品種へと植え替えを進め、フランスの伝統的な醸造技術を導入します。そして世界を驚かせたのが、ロンドンで開催されたブラインドテイスティングです。ブルゴーニュの特級や一級の白ワインと並べられた中で、クメウ・リヴァーのシャルドネがトップクラスの評価を獲得し、その名は一躍世界中に轟くこととなりました。
② ブランド・思想・位置づけ
クメウ地区を流れる川に由来するこのワイナリーは、家族経営ならではの強い絆と職人気質な思想を象徴しています。彼らが目指すのは、単にフルーティなニューワールドのワインではなく、土地の記憶を映し出すクオリティです。野生酵母による発酵や、フレンチオーク樽での長期熟成、そして酸味をまろやかにするマロラクティック発酵を100パーセント行うなど、伝統に忠実なアプローチを貫いています。
ニュージーランドにおけるシャルドネの先駆者であり、市場においては「最もコストパフォーマンスに優れたエレガントなシャルドネ」として揺るぎない立ち位置を築いています。
③ 酒質・味わい・特徴
グラスに注ぐと、輝きのある美しいストローイエローが目を引きます。香りは非常に重層的で、熟したレモンやグレープフルーツのみずみずしいシトラスに、白桃やアプリコットの芳醇なアロマが重なります。さらに、樽由来の香ばしいナッツやバニラ、かすかなトーストのニュアンスが絶妙に調和しています。口に含むと、豊かで肉厚な果実味が広がりますが、決して重すぎることはありません。
ニュージーランド特有の冷涼な気候がもたらす極めてクリアで伸びやかな酸味が、ワイン全体に美しい骨格を与えています。心地よいミネラル感とミディアムからフルに近い絶妙なボディ感があり、凝縮感のある長い余韻へと続いていきます。
④ 評価・支持される理由
このワインが多くの熱狂的なファンに支持される理由は、ブルゴーニュの高級白ワインを彷彿とさせる品格がありながら、手に取りやすい価格を維持している点にあります。ワイン愛好家や目の肥えたソムリエからはもちろん、これから上質な白ワインを知りたいという初心者の方にも自信を持っておすすめできる一本です。特別な記念日のディナーや、休日の少し贅沢な家飲みなど、様々なシーンを華やかに彩ってくれます。
ペアリングとしては、クリーミーなソースを添えた魚料理や、鶏肉のホワイト stew、リッチな味わいのバター焼き、そして少し熟成したコンテなどのチーズと素晴らしい相性を見せてくれます。
⑤ 総括
クメウ・リヴァー エステート シャルドネは、ニュージーランドの清らかなテロワールと、ブルゴーニュの気品ある伝統技法が奇跡的な融合を果たした、至高のエレガンスを備えた白ワインです。

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