南米チリの傑出したテロワールから、世界中のワインファンを魅了し続ける素晴らしい1本をご紹介します。フランスのボルドーを思わせる洗練されたエレガンスと、チリならではの力強い果実味が完璧な調和を見せる、クラスを超えた本格派の仕上がりです。
① 歴史・背景(創業・蔵元・ブランドの歩み)
ラポストールは1994年、フランスの高名なリキュールであるグラン マルニエの創業者のひ孫にあたるアレクサンドラ マルニエ ラポストールと、その夫シリル デ ブルネによってチリの地に設立されました。彼らはこの地が持つブドウ栽培の並外れたポテンシャルをいち早く見抜き、フランスで培われた長いワイン造りの伝統と最先端の技術を惜しみなく注ぎ込みました。
ワイナリーにとって大きな転機となったのは、チリの銘醸地として名高いコルチャグア ヴァレー内のアパルタにおいて、1920年代に植樹されたフィロキセラ未禍の貴重な古樹を含む素晴らしい畑を手に入れたことです。自然への深い敬意を払い、環境に配慮したビオディナミやビオロジック農法を導入しながら、ブドウ本来の力を最大限に引き出す品質至上主義の哲学を今も貫いています。
② ブランド・思想・位置づけ
キュヴェ アレクサンドルというシリーズ名は、創設者であるアレクサンドラ氏の名前に由来しており、ワイナリーのこだわりと誇りを象徴する非常に重要な位置づけにあります。このシリーズの使命は、世界的な評価を受ける最高峰のアイコンワインであるクロ アパルタで培われたトップクラスの技術をダイレクトに反映させ、アパルタという特別なテロワールを素直に表現することです。
人間の手を過度に入れない自然なアプローチを重んじており、一部のブドウを手作業で丁寧に除梗するなど、非常に贅沢な造り手がなされています。単なるチリワインという枠組みを大きく超えて、世界のプレミアムワイン市場で確固たる地位を築いているブランドです。
③ 酒質・味わい・特徴
グラスに注ぐと、輝きのある紫色のニュアンスを帯びた、深みのある濃いルビー赤色が美しく広がります。ブドウ品種はカベルネ ソーヴィニヨンを主体に、カベルネ フランやカルメネールなどが絶妙にブレンドされています。香りは非常に華やかで、プラムやブラックチェリー、カシスのような完熟した黒系果実の凝縮したアロマが豊かに立ち上ります。さらに、フレンチオーク樽での丁寧な熟成に由来する軽やかなトースト香やカカオ、細やかなスパイスやハーブのニュアンスが重なり、素晴らしい複雑さを生み出しています。
口に含むと、豊かでジューシーな果実味とともに、極めてなめらかでヴェルヴェットのような質感のタンニンが優雅に広がります。きれいな酸味と、しっかりとしたフルボディの骨格が絶妙なバランスを保っており、スパイシーな余韻が心地よく長く続きます。
④ 評価・支持される理由
このワインが多くの熱心なファンから支持される理由は、ニューワールドらしい濃厚な果実味を持ちながらも、決して飲み飽きないボルドースタイルの洗練された気品を備えている点にあります。本格的な赤ワインを手の届く価格で楽しみたい人や、渋みと酸味のバランスが取れたフルボディを好む人に最適です。日常のちょっとした贅沢な家飲みはもちろん、ワイン通が集まるディナーや大切な記念日のメインコースにもふさわしい華やかさがあります。
ペアリングとしては、ラム肉のハーブ焼きや牛ステーキなどのジューシーな赤身肉の料理、じっくりと煮込んだビーフシチュー、そして熟成したハードチーズと合わせることで、ワインの持つ豊かなタンニンとスパイシーな風味がより一層引き立ちます。
⑤ 総括
フランスの洗練されたエレガンスとチリの力強い生命力が見事に調和した、クラスを超えた気品溢れる本格派フルボディです。

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